2018年11月14日
神前式とは、神殿にて婚姻の儀を執り行う日本古来の伝統的な挙式スタイルです。明治33年に、日比谷大神宮(現東京大神宮)で行われた大正天皇のご成婚の慶事が起源とされています。婚姻によりふたりだけではなく家同士が結びつくという考え方の元、三々九度の盃(さんさんくどのはい)を交わし、玉串拝礼 (たまぐしはいれい)などの儀式を通して、ふたりの結婚をゲストではなく神様に報告するのです。
神前式の3大ポイント
花嫁行列「参進」
雅楽の音色が響く中、新婦はゆっくりと参進します。厳かで格調高い雰囲気が、「これから新しい家族とともに人生を歩んでいく」ということだけでなく、「家同士の繋がりもできる」という意識を高めてくれるでしょう。
ふたりで執り行う儀式は一生の思い出に
神前式はゲストではなく神様へ向けた儀。そのため、新郎新婦ふたりで行う儀式が多いのも特徴です。厳かな空気での儀式なので、「何年経っても緊張感と共に忘れられない!」という人が多いのも納得です。
色鮮やかな和装とお化粧で、凛とした和美人に
正統派でいくなら衣裳は白無垢に綿帽子を。黒引き振袖なら大人っぽい雰囲気を演出できます。柄も豊富なので、選ぶ際はドレス以上に悩ましいかも?色鮮やかな和メイクと運命の1着で、日本人ならではの美しさを演出しましょう。
当日の流れ・式次第
所作については、前もって神職や巫女から説明があります。式次第は神社によって異なるので、見学時に聞いてみましょう。以下では一般的な流れをご紹介します。
参進の儀
神社に奉仕する神職と巫女に導かれて、新郎新婦、両家の親、親族の順に本殿に向かいます。
入場
神前に向かって右側に新郎側親族、左側に新婦側親族が入場します。その後は新郎新婦、仲人に続き神職が入場します。
修祓(しゅばつ)の儀
身の穢れを祓い清める目的で、神職が祓詞(はらいことば)を述べる儀を行います。
祝詞奏上(のりとそうじょう)の儀
ここで言う祝詞とは一般的な「しゅくし・しゅくじ」ではなく「のりと」と読み、神主が神々に対し申し上げる言葉を指します。ここでは神職が神にふたりの結婚を報告し、幸せが永遠に続くよう祈ります。
三々九度の盃(さんさんくどのはい)
大中小3つの盃で新郎新婦が交互にお神酒(おみき)を頂きます。ここでは繁栄と魔よけの意味が込められた神酒で、夫婦の永遠の契りを交わします。
指輪の交換
もともとは神前式にはなかった儀式です。希望する人が多くなったため、昭和30年代から取り入れるようになったとか。神前式向けの和風リングピローも数多くあるので、合わせてチェックしておきましょう。
誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦ふたりで、夫婦になることを誓う言葉を読み上げます。
玉串拝礼(たまぐしはいれい)
玉串は神前にお供えするものとして、米・酒・魚・野菜・果物・塩・水等の神饌と同様の意味があると考えられています。お供えする玉串は神職または巫女から受け取りますが、その後の所作についても詳しく説明があるので安心です。
巫女の舞
ふたりの門出を祝い、巫女が舞を奉納します。
親族盃の儀
巫女が親族全員にお神酒を注ぎ、全員起立し一斉に3回で飲み干します。両家が親族となる儀式です。
斎主(さいしゅ)挨拶
神職が式を執り納めたことを神に報告して一拝します。
退場
神職、新郎新婦、仲人、親族の順番で退場します。ここでも神職に導かれるままに進んでOK。その後は神殿の前や庭で集合写真を撮りましょう。
神前式はどこで行うべき?
神前式はやっぱり定番の神社で!
先輩花嫁たちへの調査では、神前式を神社で挙げた!という声が半数、50%にも上ります。「神社の厳かな雰囲気の中、伝統的な結婚式を挙げたかったから」という声や、「結婚式を挙げたい憧れの神社があったから」「地元の縁のある神社で挙げたかったから」という声も。
ホテルや結婚式場に併設された館内神殿で!
しかし神社だけではありません。ホテルや結婚式場内にある館内神殿で挙げたという先輩花嫁も多く、その割合は48%にまで上ります。つまり、神前式を行った会場は「神社」と「(神社を除く)ホテルや専門式場にある館内神殿」がほぼ半々という結果に。館内神殿を選んだカップルでは、「挙式から披露宴までの、自分たちはもちろんゲストの移動負担を減らしたかったから」という声や、「季節や天候に左右されずに済むから」といった意見も多いようです。
会場選びの際、重視すべきポイント
神前式の会場選びで先輩花嫁たちが重視したポイントは、『挙式会場の雰囲気』『アクセス』『費用』の3つ。これは神社を選んだ人にも館内神殿を選んだ人にも共通する項目でした。違いとしては、神社を選んだカップルは、『祀られている神様』をより重視し、館内神殿を選んだ人は『費用』『収容人数』『衣裳』をより重視したようです。また、神前式は挙式会場によって参列は親族のみに限られたり、収容人数が少なかったりすることがあるので、事前にWeb上で確認をしておきましょう。尚、友人や職場関係のゲストの参列がNGな神社でも、花嫁行列など境内からふたりの晴れ姿を見学してもらうことが可能な場合も。気になる神社がある場合は問い合わせてみましょう。
神前式の費用は?
神社の場合は、神主や巫女への謝礼や神殿使用料、式次第、誓詞などをまとめて「玉串料(初穂料)」として神社に納めるのが一般的。ではこの玉串料はどのくらいが相場なのかというと、5万円程度のものから20万円超と、実は神社によって様々。また、ホテルや結婚式場内にある神殿の場合は、教会式(チャペル式)と同じように挙式料として見積に加算されるパターンがほとんどです。ホテルや結婚式場で神前式を行う場合には、式次第でも触れた参進の儀や巫女の舞、雅楽生演奏などがオプションとされることが多いようです。希望する場合は事前に金額感を確認しておきましょう。玉串料以外にカメラマン代や着付け代が乗ってくるほか、衣裳のランクによっても費用が変わってきます。挙式料だけを比較すると、「神前式は教会式に比べて安く挙式ができる」と思いがちですが、実際は和装や着付け、ヘアメイク代などが加わるとあまり変わらない、または高くなる場合があります。総額で比較し検討してみてくださいね。
いかがでしたか?神前式は、「ふたりで執り行う儀式を通して夫婦の絆を深めていきたい」「日本人として、自国の伝統的なスタイルを大切にしたい」・・そんなカップルにピッタリの挙式スタイルです。お気に入りの白無垢を見つけたので挙式は神前式に!と、そんな理由もアリかも。ふたりが納得のいく結婚式にしてくださいね。