2018年12月17日
神様に誓う結婚を「神前式」。ゲストに誓う結婚を「人前式」。そしてご先祖様に誓う結婚を「仏前式」と呼びます。荘厳な空気の中行われる伝統的な仏前式ですが、新郎新婦はもちろん、ゲスト側も「何を着ればいいの?」という方は少なくないはず。仏前式を挙げる側も仏前式に招かれる側も、マナーや服装ルールなど知っておくべき基礎知識があります。伝統的な挙式だからこそ、基本ルールを押さえないとご年配の方々に眉をひそめられてしまうかも。大人として恥ずかしくないよう、しっかり押さえておきましょう。
目次
服装
まずは仏前式での新郎新婦の服装。挙式する式場の担当や親族と相談してアレンジを加えることもできますが、まずは基本的な服装例を押さえましょう。
新婦
新婦の装いは、和装の婚礼衣装の中でも最も格式が高い「白無垢」が一般的。これは神前式と同じですね。白無垢は、一番外側にかける「打掛」、打掛の内側に着る振袖「掛下」、身につけるその他の小物が全て「白」で統一されています。髪型は文金高島田で、白無垢には「綿帽子」、それ以外には「角隠し」をつけるのが古くからのしきたり。しかし最近では白無垢に洋髪アレンジなど、和洋折衷なスタイルも人気です。
新郎
新郎も、新婦同様に和装の「羽織袴」が一般的。選ぶ際は、新婦の装いとの「格」を揃えることに留意しましょう。新婦が正礼装の「白無垢」の場合は、新郎も正礼装の「黒五つ紋付き羽織袴」を選びます。新婦が白無垢や色打掛、黒引き振袖、本振袖以外の振袖を着る場合は、新郎も新婦に合わせた略礼装に。また、実は仏前式に関しては洋装もOK。新婦がウェディングドレスを着る場合は、新郎もタキシードに統一します。洋装を選んだカップルの中には、ウェディングドレスやタキシードが寺院に似合わないという理由で、披露宴で着たり写真を別撮りしたりする場合も多いとか。
ここに注意!知っておくべき基礎意識
両家の宗派が違うと挙式できないの?
仏前式は、神様にでもゲストにでもなくあくまでご先祖様に結婚を報告することを主旨としています。そのため、両家どちらかのご先祖様が祀られている寺院での挙式であればOK。その際、菩薩寺ということになるので宗派については問題ありません。ただ両家の宗派が異なる場合は、どちらの宗派で挙式するかを決定しなければなりません。また、菩薩寺以外で挙式をする場合は、両家のどちらかが信仰する宗派の寺院等を選ぶのが前提となります。中には宗派に関係なく受け入れてくれる寺院も。両家の宗教と寺院については、両家親族交えよく相談して決めましょう。
ゲストは招待できるの?
仏前式は基本的に親族のみで厳かに執り行われます。チャペルウェディングなどのように、友人や同僚の参列は基本的にはできません。友人や同僚に関しては、披露宴のみの招待となる場合が一般的です。
仏前式での基本姿勢は?
仏前式の最中は座布団の上に正座します。式自体は30分程度で終わるので、あまり心配する必要はありません。最近ではお座敷用クッションなど正座補助グッズも人気です。足腰が悪い場合や正座が苦手な場合は活用してみてもいいかもしれませんね。
ゲストのマナーや服装
服装について
仏前式に参列したことがなければ、どのような服装にするべきなのか想像すらできませんよね。しかし基本的には他の結婚式の服装ルールと同じ。新郎新婦が和装でも、参列者は和装でも洋装でもOKです。この参列者に関しては、「仏前式だから」という細かい決まりはなく、ストッキングに関しても、黒色のものでも肌色のものでも問題ありません。ただし、参列時の姿勢は正座です。正座することを考慮し、ストッキングの色やパンツにするかスカートにするかを決めても良いかもしれません。
数珠を忘れずに!
仏前式では「数珠」が必要な場合があるので、忘れずに持参するようにしましょう。数珠が必要な場合は、招待状に明記されていることがほとんど。必ず事前に確認を!招待する側であれば、数珠の持参の必要有無について必ず明記しましょう。
コロンや香りの強い香水はNG
仏前式ではお香を焚いています。香水などの香りが混ざり合うと不快な臭いとなることも。加えて、仏前式は他の挙式スタイルよりも参列者間の距離が近いことがあります。細かいマナーですが、仏前式に参列する際には、香りの強いものは避けるようにしましょう。
いかがでしたか?厳かな雰囲気の中で行われる仏前式。招待する側でも、親族として参列する側でも、基本的なマナーを押さえて大人として恥ずかしくない振る舞いを心がけたいですね。