2019年8月21日
一生に一度の大イベント、結婚式。華々しい一面ばかりに目が行きがちですが、実は結婚式に関するトラブルがあることを知っていますか?消費生活センターへの相談件数は2017年度1505件、2018年度1647件もあるのです。これから結婚式を控えている方にとって無視できる数字ではありませんよね。
今回は結婚式でどのようなトラブルが起こりえるのか、そしてそのトラブルを未然に回避する方法をご紹介いたします。
目次
契約・解約に関するトラブル
全国の国民生活センターは2015年にホームページにて、「キャンセル料、打ち合わせ不足に関するトラブルが後を絶ちません」と注意喚起を行いました。
国民生活センターによると、2010年~2014年までは結婚式に関する相談件数は年間1,400~1,800件ほどで、そのうちの約9割が「契約、解約」に関する相談なのです。
どのようなトラブルがあったのか、それぞれご紹介いたします。
事例
トラブル1
結婚式場から「今日契約すれば値引きができる」と急かされて内金を払い契約。その後、事情が変わりキャンセルしたが内金の返金はなかった。
トラブル2
長時間勧誘されて疲れているところで契約し内金を支払った。しかし、すぐに思い直してキャンセルを申し入れたが、内金の返金を断られた。契約時に返金に関する説明はされていなかった。
トラブル3
結婚式は1年以上先だったため話を聞くだけのつもりが、強く勧誘されて契約をした。そのあと後悔してキャンセルをしたいと言ったが、かなり先の予定であるにも関わらず高額なキャンセル料を請求された。
トラブル4
打ち合わせが進んでいくと、契約当初の見積もりよりも大幅に増額になることに。解約しようとすると、高額な解約料を請求された。
トラブル発生のポイント。もし同じ勧誘をされたら気を付けよう!
5の事例をもとに、トラブル発生時のポイントを押さえておきましょう。
1.「今なら」「今日まで」など、契約をその場で急かされる
期間を限定した割引サービスはどんな商品でも使われている手法ですよね。結婚式の勧誘の際も、説明を聞いた直後の気持ちが高ぶっているときに「今日まで」と急かしてその場で契約を結ぼうとする勧誘方法は多いようです。
2.しつこい・強引な勧誘
長時間にわたり勧誘をし続けるのは、丁寧な説明といえば聞こえはいいですが、長時間説明をされると疲れてしまい、判断力が鈍ってしまって「これでいいかな」と思ってしまう方も少なくはありません。
3.キャンセル料に関する説明の不足
契約をするとき、キャンセルすることを考えていない方の方が多いのですが、「かかる」と知ると契約が先延ばしになってしまう可能性があるので、式場側があえて伝えていない事例もあるようです。式場を決めた後に他にも気に入るところが見つかったり、なんらかの理由があったりしてその式場をキャンセルすることはあるかもしれません。
4.結婚式の日時が1年以上先で事情が変わる
人気の式場だからと、かなり先の予定で契約する方も少なくありません。
あまり先の予定だと、自分たちや参列者の事情も変化しがちで、やむを得ずキャンセルをすることもあるかもしれません。
そんなとき、キャンセルや変更がうまくいかずにトラブルにつながることがあるのです。
基本的に、式が近くなればなるほどキャンセル料は高くなりますので、いつまでならいくら発生するのか、しっかり確認をしておく必要がありますね。
5.見積もりの際のヒアリング不足
当然、新郎新婦にはそれぞれ予算と希望がありますよね。もちろん、打ち合わせを重ねていく中で「あれもやりたい」「これもやりたい」と結果的に金額が膨らむことはよくありますが、それも含めてしっかりヒアリングをしておけば大幅な増額にはならないことでしょう。
また、式場側が契約を急ぐあまり新郎新婦の予算と希望内容を聞いていても、誤認させるような見積もりを提示することもあるようです。
結婚式当日に起こりえるトラブル
ちょっとしたトラブルならば「おめでたい席だから」と不問にすることもあるかもしれません。しかし、実際に我慢の限界を超える事例もあるのです。
事例
トラブル1
特別な料金を支払い自分たちでデザインできるウェディングケーキを注文。しかし、リボンの色を間違えられ、白と黒のお葬式のようなケーキが出てきた。こだわってデザインを決めたためかなり期待していたががっかりした。
トラブル2
カメラを持ち込むことができなかったので、式場専属のカメラマンに撮影を依頼した。プロだという事で高額な撮影料金がかかったが、実際に撮影された写真はプロとは思えないような仕上がりだった。
トラブル3
本来予定していた演出が、式場の不手際により行われなかった。改めて行ってもらうように交渉すると、プランナーから「次の方の時間がありますのでできません」と断られた。
トラブル4
フェイス・ヘアメイクをこだわりたかったので、写真を持参して依頼したが、希望とは全く違う仕上がりに。周囲からも不評で、一日が台無しになった。
トラブル発生のポイント
1.プランナーとの意思疎通が不十分
プランナーは新郎新婦以上に、式全体のことを把握している必要があります。しかしプランナーが把握していなかったり、うっかり間違えたり、忘れたり…ということもあるかもしれません。事前の確認不足が原因で、大事な日を台無しにはしたくありませんね。
2.品質の相違
新郎新婦が想像する品質と、結婚式場が用意できる品質が異なることもあります。過去のサンプルを見せてもらうなど、自分たちの思い描くものと相違がないかチェックしておきましょう。
3.新郎新婦の要望が多すぎる
結婚式は限られたスペースで、限られた人数で運営されています。手間のかかる演出などをたくさん依頼した場合、結婚式場が対応しきれないということも考えられます。
トラブルを防ぐためにできること
式場と相談・契約をする前に最低限の内容を決めておく
多くの新郎新婦が「自分たちがどんな結婚式にしたいか」を探してブライダルフェアなどに足を運んでいます。しかし、以下の3点においては、実際にイベントに訪れる前にある程度二人で決めておきましょう。
・予算
・招待客の人数
・料理・演出・衣裳など、譲れない希望
結婚式場からすると、もちろんブライダルフェアは契約のチャンスです。基本的に勧誘はあるものと思っていきましょう。ある程度心構えをしておく必要がありますが、「とにかく契約を!」としつこく強引に進めてくる式場には気を付けておきましょう。
心ある式場なら、新郎新婦の希望と、式場がそれをどのくらい実現できるのか考えてくれるはずです。
だからこそ、自分たちの希望を提示することで、後々の意見の相違などを防ぐことができます。
即決断はしない
トラブルで最も多かったのは、ご紹介した通り「解約」や「キャンセル料」にまつわるものです。こういったトラブルを経験したカップルの中には、フェアや相談に行ったその日に契約をした、というケースが多いのです。もちろん、説明を聞いたばかりの時は気持ちが昂ると思いますが、いったん冷静になって見つめなおすことも必要です。
その場での契約は避け、二人で考えなおしたり、他の式場と比較をしたりするのがよいでしょう。
見積もりの金額は詳細まで確認する
見積もりと最終的にかかった金額が大きく異なることで起こるトラブルは、実は少なくはありません。打ち合わせが進んで段取りに着手しはじめると、多額のキャンセル料が請求されることもあるそうです。
トラブルが起こってから「聞いていない」「説明した」と口論してもどうしようもありません。何か演出などを追加したり、変更をしたりする際には、プランナーに説明があってもなくても必ず確認をするようにしましょう。
キャンセル料や解約料など、契約の詳細条項を確認する
この式場しかない!と思ったとしても、時間がたてば他の式場がいいと思ったり、不測の事態が起こったりすることは十分にあり得ます。
「聞いていない」といっても、「契約書には書いてある」と言われると元も子もありませんから、契約をする前にしっかり確認をしておくことが大切です。
プランナーとコミュニケーションを十分にとる
自分たちが思い描いたとおりの素敵な式にしたい、と考えるのなら、とにかくプランナーとのコミュニケーションを十分にとることが大切です。
新郎新婦はプランナーに依頼している側ではありますが、プランナー側に意思疎通を図りにいったほうがより円滑に、トラブルなく進められることでしょう。
プランナーが自分たちと相性が悪いと思う事もあるかもしれません。そのまま続行するとトラブルに発展しやすいので、自分たちが人生で一番の晴れ舞台を作るにあたって、ふさわしいと思える人と進めていきたいですね。式場の選定基準に、プランナーの人柄もいれてもよいでしょう。
演出を盛りだくさんにする場合は慎重に
結婚式当日のトラブルの多くは、演出が複雑・盛りだくさんの場合に起こりがちです。どんなに準備をしていても、当日は何が起こるかわかりません。
一生に一度だからと、こだわりたい気持ちは皆さん同じですが、トラブルが起こってしまっては台無しになりかねませんよね。
その演出が本当に可能なのかどうか、客観的な意見を聞いたり、プランナーとよく相談をしたりしておくようにしましょう。
いかがでしたか?
人生での晴れ舞台でもある結婚式。つい浮足立ってしまうこともあるかもしれませんが、トラブルに巻き込まれないためには消費者としてのシビアな目線を失わないことが大切です。
実際に二人で進める前に、今まで結婚式を挙げたことのある知人友人に話を聞き、信頼できる人に相談しながら進めていくのがよいでしょう。
後悔をしたり、がっかりしたりしないように、自分たちの希望がかなう素敵な結婚式を実現してくださいね。