2018年6月1日
古来より日本で大事にされてきた風習、「結納」。受けた結納に対しては結納返しをするのが一般的です。実際結納を受けたけど、では何をどのようにお返しすれば良いのか?今回はこの結納返しについて紹介していきます。
結納については「結納って何から始めればいい?顔合わせとどう違う?気になる相場や服装マナーも教えます」を参照ください。
目次
相場
結納返しの相場は、地域によって大きく違いが出てきます。大きく分けて東日本で主流となっている関東式と、西日本で主流となっている関西式の2種があります。
ただ、九州地方など一部の地域では独特の主流が存在しており、地域によってはしきたりの中でも重きを置く点が異なるので注意しましょう。また、本島ではないものの沖縄については関東式を取り入れることが多いようです。
関東式の結納返し
関東式の結納返しでは、結納金の半返しが基本と考えられています。
【例】200万円であれば半額の100万円の返礼
「新郎側・新婦側、双方の家同士が対等な関係であるため」という考えから、関東式のような様式が採用されてきたようです。
関西式の結納返し
関西式では、結納金に対し一割程度の返礼が相場となっているようです。
婿入りなどは少なく、「結婚とは嫁入りだ」という意識が関東よりもはるかに強い関西地方の結納。古くから、嫁入りに際し必要になってくる道具などに大きな出費があったためと考えられています。
中には結納金を大きく上回る嫁入り準備をする家庭もあるため、比例するかのように結納返しの金額としては縮小せざるを得ないのかもしれません。非常に特殊な地域ですが、一切の結納返しをしない地域も存在するそうです。
時期
結納返しをする時期は家により異なりますが、3つのタイミングが主流です。
・ 結納時(結納日に結納返しも行ってしまう)
・結納後に改めて結納返しの日として予定する
・婿家への引っ越し作業時
結納時(結納日に結納返しも行ってしまう)
結納と同じ日に結納返しもおこなってしまうパターンです。両家共に手間がかからないため、最も多いタイミングです。
結婚式の準備などで両家共に忙しい時期。結納時に結納返しを済ませてしまう方が効率的と言えますが、結納返しをする側のデメリットとして「当日まで結納金の額がわからない」という点が挙げられます。つまり、両家でどの程度のものを用意するのか事前に話し合っておく必要があります。
結納後に改めて結納返しの日として予定する
古くからおこなわれてきたタイミングであり、最も丁寧な返礼と言えるでしょう。
受けた結納の内容を確認してから、後日お返しをするという流れになります。
しかし、両家が遠方の場合は現実的ではありません。効率化を重視するのであれば、ここまで風習を忠実に踏襲する必要はないかもしれません。
婿家への引っ越し作業時
新郎新婦の新居と両家が近いカップルであれば、この引っ越し作業時でのタイミングもアリです。ただ、嫁入り道具搬入など、両家共に非常にバタつくタイミングでもあるので注意が必要です。
現金以外の結納返しのパターン
結納返しは、必ずしも現金でする必要はありません。お品で返礼する場合、どんなものをお贈りすればよいのか。一般的な結納返しのお品を見ていきましょう。
高級時計
結納返しのお品として昔からメジャーなのは時計だと言われています。
長く使える高級時計は記念にも残る上、「長い時間をあなたと共に過ごします」というメッセージにもなります。新婚旅行のタイミングで、夫婦で時計を贈り合うパターンもあるそうです。
高級スーツ
結納返しのお品として、スーツも多く選ばれています。
着心地や見栄えが抜群に良いフルオーダースーツはもちろん、お仕立券を贈るのも素敵ですね。選ぶ目安としては、その時期のトレンドを取り入れたデザインのものではなく正規のメンテナンスで何年も着用できる高級スーツを選びましょう。
家電製品
最近では、従来の風習に囚われずパソコンやオーディオ機器、カメラなどの精密機器を結納返しのお品として選ぶケースも増えてきています。
いずれにせよ、結納返しで現金以外のお品を贈る場合は、新郎新婦お二人はもちろん、両家でも十分に話し合いましょう。よく話し合い、新郎が喜ぶものを贈りたいものですね。
いかがでしたか?ご家庭によって結納返しに対する意識は大きく違うものです。また、古来の風習とはいえ地域によってもかなり差があるので注意していきましょう。両家のご両親に対してよく確認した上で準備を進めると安心です。新郎が心から喜んでくれるものを贈りたいものですね。