2018年10月22日
「結婚式で友人代表のスピーチを新郎にお願いされた!」ここは親友のお祝いのためにも、気持ちを込めた挨拶で大成功させたいですよね。感動的にもしたいし、笑いもとりたいと、つい欲張ってしまいがち。今回は、友人スピーチのマナーや成功のポイント、文例などに触れていきます。
目次
スピーチの流れ
司会者から指名されたら
「次に、新郎(または新婦)の高校時代からの友人である◯◯様よりご祝辞を頂戴いたします」などと、司会者があなたのことを簡単に紹介してくれます。ここでは着席したまま軽く一礼しましょう。これは、同席している円卓のゲストに対しての一礼になります。そのとき、照れ隠しであっても、まわりの友人と目を見合わせて笑ったり、クスクス笑ったりしないように注意。両家の親族卓からも意外と見えてしまいますし、周りも友人代表がどのような人なのかを注視しているため、見苦しいです。
起立して一礼
次に、その場で起立して出席者全員に対して一礼をします。ゆっくりと落ち着いて礼をし、マイクの位置まで歩み出しましょう。
マイクの前に立って一礼
新郎新婦にゆっくり一礼します。結婚式の主役なので、最も丁寧にゆっくりと一礼をすることを心がけましょう。そして出席者全員にもう一礼します。スピーチ中の祝辞の時も新郎新婦に対して 「△△さん、○○さんおめでとうございます」で一礼します。この時、ご両親にも祝辞で一礼しましょう。
スピーチ終了後に一礼
出席者全員に向かってゆっくり一礼を。その後、新郎新婦に改めて一礼します。
着席前に一礼
着席前に、同席している円卓のゲストに対して改めて一礼しましょう。
スピーチの基本ポイント
友人代表スピーチの基本的な構成は次のようになります。
- 新郎新婦に対して招待のお礼と祝辞
- 起立している新郎新婦におかけいただくようお声がけ
- 自己紹介
- 新郎新婦とのエピソード
- 新郎新婦への激励
- 締めの言葉
時間と文量の目安としては約3~4分程度、ダラダラしないようすっきりと収めましょう。400文字詰め原稿用紙だと、だいたい2~3枚程度が目安となります。
スピーチの成功ポイント
当日の「大成功」に収めるために、原稿用紙を作成することはもちろん、時間内に収まるよう、話し方と原稿内容をあらかじめ調節しておきましょう。当日緊張しないよう、人前で練習するのもアリ。原稿内容に合わせて、喋り方を工夫してみてもいいですね。また、当日は全員の前に立ちます。両家親族の注目も集まることを踏まえて、ふさわしい服装を心がけましょう。
忌み言葉、重ね言葉はNG
忌み言葉・重ね言葉とは、別れを連想させる言葉(例:別れる、切る、切れる、離れる)や、不幸・不吉な言葉(例:敗れる、悲しむ、嫌う、九、四)、または繰り返す重ね言葉(例:繰り返す・繰り返し・再び)を指します。これらは、お祝いの席での常識として縁起が悪いとされており、絶対に使ってはいけません。忌み言葉のなかには日常会話でよく使う言葉も多くあるので、無意識のうちに使ってしまいがち。たとえ新郎新婦が聞き流してくれても、これは昔からの一般常識。両家親族の高齢の方の中には聞き流せない方もいます。原稿作成の段階で、忌み言葉が含まれてしまっていないか、念入りにチェックしましょう。
暴露話や過去の恋愛についての話はNG
たとえ新郎新婦本人に承諾をとって話す内容でも、暴露話は避けましょう。また、過去の恋愛話をするのもダメです。もしかすると、過去の恋愛に関わるゲストが出席しているかもしれません。スピーチは新郎新婦のことに一貫しましょう。新郎新婦のことでなくても、誰かを傷つける可能性のある内容は、お祝いの場としてふさわしくありません。
砕けすぎた内容や話し方はNG
結婚式は、年代も新郎新婦との関係性もさまざまなゲストが出席します。新郎新婦への親しみを込めたスピーチのつもりでも、くだけすぎた内容(下ネタなど)・話し方は、他のゲストからすると「場をわきまえない非常識な友人代表」という印象に。新郎新婦に対して直接的に迷惑をかけかねません。どの世代のゲストでも安心して聞くことができる内容・話し方を心がけましょう。
自分の自慢話はNG
結婚式は新郎新婦が主役。友人の結婚式であるにもかかわらず、自分の仕事や実績を絡めて話す方もときどき見かけますが、これも非常識です。新郎新婦にはもちろん、両家親族や他ゲストの時間を無駄にしないよう、あくまでも新郎新婦の話題を中心に内容を組み立てましょう。
友人代表スピーチ例文集
例1
ただいまご紹介に預かりました◯◯と申します。△△くん、□□さんご結婚おめでとうございます。並びに、ご両家のご親族の皆様誠におめでとうございます。新郎の△△くんとは、高校のときからの付き合いで、15年ほどになります。私たちが仲良くなったきっかけは忘れてしまいましたが、気づいたら意気投合していました。結婚式という場は、新郎新婦を誉め上げるものだ、と聞いておりますので、私も慣例に従い、私から見た△△くんの素晴らしい点をお伝えしたいと思います。一つ目は「人知れず努力をする」ということです。△△くんは本当に文武両道の人間でして、大学受験の時期も就職活動の時期も、勉強や企業巡りも精力的にこなしながら、遊びもバイトもしていました。実は、私も遊びとバイトで△△くんとご一緒していたのでよくわかるのですが、必死になってやっている、という印象がまったくなく、結果として大学も就職先も、難関であるにも関わらず△△くんの希望通りに決められたときは、びっくりしました。おそらく、人知れず、努力を積み重ねられた結果だと思います。二つ目は「とても謙虚である」ということです。
大学合格したときも、就職が決まったときも、大きなリアクションはまったくありませんでした。浮かれても仕方がないくらいなのに、そういうところが△△くんにはありません。
とても謙虚な男です。ところが、そんな△△くんが興奮して話してくれたことがあります。
それが□□さんのことを教えてくれたときです。今までに見たことのない、嬉しそうな表情で、どんなに□□さんが素晴らしく、可愛くて、気が利く女性であるか、という話をたくさん聞かされました。△△くんがそこまで言う□□さんとは、どのような人なのだろうかと、とても気になっていましたが、お会いしてみて、なるほど、と納得です。
そして、本当にお似合いのおふたりだと思います。さて、ぜひ新郎新婦のおふたりにお伝えしたいのですが、今日ここに出席している高校時代のメンバーは、私も含めみんな独身です。△△くん、僕たち独身貴族に悔しい!結婚したい!と思わせるような、楽しくあたたかな家庭を築いてください。本日はおめでとうございます。みなさまご静聴ありがとうございました。
例2
ただいま司会の方からご紹介いただきました、新婦○○さんの友人の××と申します。○○さん、△△さん、またご両家ご親族のみなさま、本日は誠におめでとうございます。友人といたしまして、お祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います。
○○さんとは、小学校も同じでしたがクラスが違ったため、親しくお付き合いをさせていただくようになったのは、中学校で同じクラスになってからのことです。他の小学校から新しくできた友達が多い中、同じ小学校出身者で通学路が同じだったことと、同じアイドルグループが好きだったこともあって意気投合し、○○さんとはすぐに打ち解けることができました。
でも、私が意地っ張りになってしまった時期がありました。それは、本当に私の勝手な事情なのですが、運動系のクラブ活動での先輩後輩の上下関係がうまくいかず、とても辛い時期があったからです。そのときは、誰も私のことをわかってくれないのだとひとりで思い込み、本当に誰とも話したくなく、あんなに仲がよかった○○さんとも、自分から話さないようにしていました。
そして、ちょっと道を外れてグレかかってしまい、ほかのクラスの友達は当然話しかけにも来なくなりました。そんな中、○○さんだけが違いました。どれくらいの時期を過ぎたときか、○○さんはいつも通り、「おはよう!」「昨日のあの番組見た!?」とアイドルグループの話題をしてくれたのですが、私は意地を張って無視しようとしていました。ところが、○○さんは、ふと、私の目をじっとみて、「私の大好きな××が、遠くにいっちゃって悲しい。また一緒に話そうね。」と言ってくれたのです。○○さんの目が潤んでいたのに気づいて、こんなに私のことを思ってくれていた友達がいたのだ、意地を張っていた自分はなんて勝手だったのだろう、と心から反省しました。
その晩、私は、詳しい内容は忘れてしまったのですが、泣きながら○○さんに、ごめんなさい、ありがとうと伝える手紙を書きました。そして、次の日の朝、家を出ようとしたら、○○さんが家の近くで待っていてくれました。嬉しくて涙が出ました。 ○○さんは喜んで手紙を受け取ってくれました。本当に嬉しくて、それからは、絶対○○さんを悲しませるようなことはしない、○○さんの力になろうと決めました。
おふたりの出会いは、私が○○さんをお誘いして出かけた職場関連のパーティーで新郎の△△さんとお会いになったのが馴れ初めです。こんな魅力的な○○さんのことですから、△△さんは一目で見初められました。誰からもお似合いのおふたりです。私がキューピットになろうと思ったわけではなかったのですが、偶然おふたりの出会いのきっかけを作ることができ、私はとても光栄に思います。これからも、どうぞ末永くお幸せにお過ごしください。
本日このような晴れの場を迎えられましたこと、本当に心よりお祝い申し上げます。これをもちまして、おふたりへの贐(はなむけ)の言葉とさせていただきます。本当におめでとうございます。
いかがでしたか?大事な親友の結婚式。この素敵な結婚式を、感動的なセレモニーにできるよう尽力しましょう。おふたりの心に残るスピーチをしてくださいね。